こんにちは、ぶ~ちゃんです。
東海道歩き旅8日目もいよいよ大詰め。箱根峠の頂上を越え、いざ静岡県・三島宿へと向かう長い下り坂に突入します。日本遺産にも認定された「箱根八里」の西麓は、江戸時代の面影を色濃く残す石畳や、歴史を物語る史跡が連続する歩きごたえ抜群のルート。「箱根八里は馬でも越すが…」と唄われたほどの険しい道のりを、風の音や木々の香りを感じながら、先人たちの足跡を辿ってじっくりと歩を進めていきましょう。果たして無事に三島宿へとたどり着けるのか、一緒に旅している気分でお楽しみください!
東海道の旅 8日目-4
三島宿への道中
箱根峠を越えると、山の空気の冷たさが少し和らぎ、遠く駿河湾から吹き抜ける柔らかな風を感じるようになります。ここからはひたすら、水の都・三島宿を目指して下っていく道のり。振り返れば富士山が見守ってくれる、贅沢な区間です。

時雨坂(しぐれざか)
歩き進めて最初に出会うのが「時雨坂」です。その名の通り、かつて箱根の山中では天候が急変しやすく、このあたりで急な時雨(しぐれ)に降られる旅人が多かったといいます。


法善寺旧址・七面堂旧址
右手に「法善寺旧址」を見送ると、左手の道沿いに「七面堂址」が現れます。ここは足利尊氏にゆかりがあるとされる歴史的な場所。箱根・竹之下の戦いなど、日本の歴史を左右する大きなうねりの中で、名だたる武将たちがこの険しい峠を行き交った名残を今に伝えています。


題目坂
七面堂旧址の前を通るのが、箱根西坂屈指の急勾配を誇る「題目坂」です。かつて日蓮宗の題目碑が建っていたことが名前の由来。江戸時代、ここは法善寺や七面堂が集まる宗教的な拠点で、過酷な山越えに挑む旅人たちが道中の安全を必死に祈った精神的な支柱でもありました。

法善寺
坂を下った先に現れるのが、現在の「法善寺」です。題目坂から移された題目碑や七面堂の石灯籠が静かに佇んでいます。

六地蔵
さらに進むと、案内板とともに「六地蔵」が迎えてくれます。案内には「六地蔵」とありますが、実際に並んでいるのは13体。…信仰心の現れでしょうかね。

臼転坂(うすころがしざか)
短い区間ではありますが、再び林の中に入っていきます。


一部石畳の区間もありました。かつて急勾配であったことから「牛が転んだ」あるいは「臼を転がした」ことが由来とされています。

馬頭観音像
途中には「馬頭観音像」も祀られていました。険しい箱根越えは、人だけでなく馬にとっても過酷な道のりでした。倒れてしまった馬の供養や、道中の安全を願って建てられた観音様からは、当時の人々の動物への深い愛情が伝わってきます。


普門庵
急坂を下り終え、ようやく一息ついた場所にあるのが「普門庵」です。ここには、思わず足を止めたくなる不思議な伝承が残っています。


昔々、お坊さんが、大きな観音様を背負って急な坂道を一生懸命登っていたんだブ。
でも今の普門庵の場所まで来たら、急に観音様が岩みたいにズッシリ重くなって、一歩も動けなくなっちゃったんだブ!
お坊さんは「観音様はここでみんなを救いたいんだブ」とお告げを感じて、そこに庵を建てたんだブ。これが今の普門庵の始まりなんだブ。
宗福寺
続いて見えてくるのが、「宗福寺」です。木々に囲まれた静かなお寺で、ここを過ぎると次第に民家も多くなり三島宿が近づいてくるのを感じます。


箱根路の碑
街道沿いに堂々と建つ「箱根路の碑」。この碑を見ると、「天下の険・箱根を越えてきたんだな」という確かな実感が湧いてきます。歩き旅ならではの達成感を噛み締めることができる、絶好の記念撮影スポットです。

初音ヶ原の石畳と松並木
500mほど歩いたところから再び石畳「初音ヶ原」は、流人時代の源頼朝がウグイスの初音を聞き、源氏再興の希望を抱いた伝説の地です。
「松並木」も続き、箱根越えを終えた安堵感を味わえる道になっています。

錦田一里塚(にしきだいちりづか)
そして、500mほど歩いたところには、国指定史跡でもある「錦田一里塚」です!江戸の日本橋から数えて28番目。道の両側に「北塚」と「南塚」がほぼ完全な形で残っております。江戸時代の旅風景をそのまま切り取ったかのような美しさですね。


またしばらく松並木と石畳が続きます。


箱根大根恩人碑
愛宕坂へ入る手前の交差点付近)に建てられていた歌碑です。
「箱根八里の 馬子唄消へて 今は大根を 造る歌 ──源水」
馬子唄が消えた近代の箱根路で、三島名物の大根栽培が栄えたことを詠んだものです。

愛宕坂(あたござか)
のどかな雰囲気を味わっていると、またしても急な坂道「愛宕坂」が現れます。箱根西麓は本当に坂が多い!足の指先に力を入れ、ブレーキをかけながら慎重に下ります。


日本遺産 箱根八里 案内版
道中には、「日本遺産 箱根八里」の立派な案内版が設置されています。私たちが歩いてきた小田原宿から三島宿までの道のりがいかに歴史的価値の高いものであるか、分かりやすく解説されていました。箱根を越えてきた後に読むと、その歴史の重みがより深く心に響きますね。

三島宿に続く直線道路に入ります。

宝鏡院(ほうきょういん)
三島宿の見附(入り口)のすぐ手前にあるのが、見どころ満載の「宝鏡院」です。 足利尊氏の三男で室町幕府2代将軍・足利義詮(よしあきら)が開いたといわれる由緒ある寺院。境内で特に目を引くのが、三島七石の一つ「笠置の石(かさぎのいし)」です。若き日の源頼朝が、源氏再興を祈願して三嶋大社へ日参していた際、この石に「笠」を置いて一休みしたという伝説が残っています。
ほかにも、鎌倉・建長寺の裏門を移築したと伝わる重厚な山門や、頼朝や足利将軍が馬の鞍を掛けたと言われる「鞍掛の石」、さらには足利義詮や初代堀越公方・足利政知の墓所があるなど、まさに歴史の宝庫です。



東見附跡
そしてついに到着しました!三島宿の東の入り口である「東見附(江戸見附)跡」です。現在は親水公園として整備されており、富士山の伏流水が湧き出る三島らしい、清らかな水辺の風景が広がっています。この見附を越えれば、そこはもう三島宿。険しい箱根の山を乗り越え、無事に宿場町へとたどり着きました!


三島駅までの帰り道、三島大社の前を通りかかりました。
次回楽しみにしてますからねー!

三島駅から在来線で帰宅。乗車はSUICAでできますが、熱海を越えてJR東日本の駅で下車する際はエリア跨ぎとなり、自動改札は通れません。窓口で運賃を精算してから改札を出ることになりますので注意してくださいね。

箱根峠から三島宿への道のりは、まさに「歴史の回廊」でした。一歩踏みしめるごとに伝わる石畳の感触や、坂道の一つひとつに宿る古い物語。先人たちがどんな想いでこの坂を下り、三島の清らかな水を目指したのか、その息遣いを感じることができた気がします。さて、次回はいよいよ三島宿町散策。美味しいグルメなど、箱根越えのご褒美をたっぷりとご紹介します。あなたもぜひ、自分の足で歴史を辿る旅に出かけてみませんか?
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