こんにちは。ぶ~ちゃんです。
ついにこの日がやってきました!江戸・日本橋から始まった甲州街道220kmの旅も、とうとう最終日、12日目を迎えました。
地図を広げてみると、遥か遠いところまで歩いてきたなぁと、改めて込み上げる感動があります。今回は、長かった旅のゴールとなる「下諏訪宿」を目指し、まずはその手前の賑やかな温泉宿場町「上諏訪宿」へと足を進めます。
甲州街道歩き旅の最終日を飾るのは、美しい諏訪湖周辺エリア。標高759mに位置する湖畔には、諏訪大社を中心に栄えた歴史と文化、そして温泉の温もりが息づいています。この記事では上諏訪宿までの道のり、そして日本酒好き必見の諏訪五蔵巡りの様子を、臨場感たっぷりにご紹介します!
甲州街道の旅 12日目-1
甲州街道歩き12日目、旅の最終日です。
7:30
今朝のホテル出発時の気温は「-2℃」!昨日よりもさらに冷え込みましたが、澄んだ冬の空気は心地よく、天気も体調も絶好調です。旅の終わりが近づくにつれて、一歩一歩を噛みしめるように、昨日旅を終えた地点へと戻ります。
昨日渡った「上川」と、神聖な「諏訪大社参道」の鳥居が、朝日を浴びてキラキラと輝いている景色は、また格別の美しさがありますね。



寒さに凍った水路は、冬の厳しさとともに透明な美しさを放っていました。甲州街道に出るまでの道のりが、良いウォーミングアップになりました。

諏訪宿へ向かう道
8:00
昨日旅を終えた旧甲州街道の「常夜灯」に戻り、いよいよ12日目の旅が正式にスタートです。今日で甲州街道の旅が終わると思うと、寂しさとともに胸に熱いものが込み上げてきます。
この交差点を北に向かって進みます。

登り坂からのスタートです。最終日どんな道が待っているのでしょうか。

スタート地点から5分ほど歩いた山の上には、ぽつりと「桑原城跡」の文字が見えました。
ここは、かつて上原城の支城として重要な役割を果たしていた要衝だそうです。街道を歩いていると、ふとした瞬間に戦国時代の歴史が顔を出し、旅路に深みを与えてくれますね。

旅の安全と長寿を願う「足長神社」
更に200mほど歩いたところに、荘厳な「足長神社」が現れました。
ここは諏訪大社上社の摂社であり、古代から人々の信仰を集めてきた歴史の長い神社です。
目の前には、天まで届きそうなほど長く急な石段が続いていました。石段の先が見えない神秘的な光景に心惹かれますが、これを登ったら確実に膝をやられて、今日の旅はここで終わってしまうのでまた機会があればということで…先に進みます。


足長神社は、甲州街道にある手長神社とペアの“夫婦神コンビ”を祀ってる神社なんだブ。
主祭神の足長神(足摩乳命〈あしなづちのみこと〉)は、昔から足腰の健康や長寿を守る神様として信仰されてきたんだブよ。
街道を歩き続ける我々にとって、まさに参拝したかったパワースポットなんだブ!
山すそで緩やかなアップダウンがあります。
まだ朝も早いこともあり、静かで風情ある町並みが続きます。

足長神社より500mほど歩いたところの民家の軒先に「甲州道中」と書かれた(?)木札を妻が発見しました。隣には立派な蔵もありましたが由緒のあるお宅なのでしょうか。
こんなちょっとした発見も、我々旅人を迎え入れてくれているようで嬉しくなります。

その先しばらく道なりに進むと、味わい深い建物の共同浴場がありました。
湯けむりが立ち上る様子は、ノスタルジックな雰囲気を醸し出し、上諏訪が古くからの温泉地であることを実感させてくれました。

その先、またしばらく進むと20号と合流します。

文化遺産に指定された「清水町手洗水」
合流してから300m程歩いた「清水一丁目・二丁目」交差点に、ひっそりと佇む「清水町手洗水」がありました。これは珍しい石造物で、地元の文化遺産にもなっているそうです。


明治天皇も利用された「御膳水」
手洗水から路地を奥に進んで行った民家の玄関脇には、さらに由緒ある湧水「御膳水」が!
神社の境内にも湧き清水があり、驚くことに、明治天皇がご巡幸の際にご用立てしたことを示す「明治天皇上諏訪御膳水」の石柱が建っています。この辺り一帯は、豊富な水の恵みを受け、「清水町」という地名の由来にもなっているそうです。
諏訪五蔵の酒造りを支える清冽な水脈が、町の至る所で見られるのは感動的ですね。


日本橋から44番目の宿場町「上諏訪宿」
8:45
甲州街道に戻り先に進むと、「上諏訪宿」に入ります。
ここからは、街道の風情が残る歴史的な街並みが続きます。


上諏訪宿
本陣1軒、旅籠14軒で、甲州街道の最後の宿場なんだブ。
諏訪大社の門前町で、諏訪大社上社本宮が近くに鎮座していたことから、街道沿いには由緒ある神社や寺院が多いんだブ。江戸時代には高島藩城下町としても発展したブ。
レトロな雰囲気に惹かれる老舗
上諏訪宿に入ると、歴史ある老舗の建物が目を引きます。明治27年創業の老舗「かねさ呉服店」の土蔵造りは、その重厚な造りから当時の繁栄が窺えます。

そして、風情あるたたずまいの染物屋「染一」など、昔ながらの商家が街道の雰囲気を彩っています。

「元町」交差点に差し掛かると、いよいよ上諏訪宿の中心地。ここからは、あの有名な「諏訪五蔵」と呼ばれる銘酒の酒造が建ち並ぶ通りに入ります。

諏訪五蔵の魅力
「舞姫」「麗人」「本金」「横笛」「真澄」の5つの老舗酒蔵のことを指すんだブ。
これらの酒蔵は、同じ霧ヶ峰の伏流水を仕込み水に使いつつ、それぞれが特徴的で個性豊かな酒を醸し続けてきたんだブ。「まちあるき呑みあるき」と呼ばれる5軒の老舗酒蔵を巡るイベントも開催されて、自分のペースで五蔵を巡ることができるんだブ。日本酒好きにはたまらないストリートなんだブ。
早速この交差点の一角には、江戸時代初期の1662年創業、銘酒「真澄」で知られる老舗「宮坂醸造」があります。

交差点の一角に「角間町十王堂跡」があります。

高島藩の歴史が息づく「貞松院」
9:00
20号から斜め右に分岐する旧甲州街道に入り緩やかな坂道を150mほど歩くと右手に「貞松院」があります。

まだ朝も早い時間の静かなお寺に少しだけおじゃましました。
このお寺には高島藩にまつわる色々な史跡、文化財があります。
お庭も綺麗に手入れが行き届いており、清々しい気持ちになりました。
本堂裏庭にある樹齢400年以上になる長野県指定天然記念物のシダレザクラの開花時には、特別公開され夜はライトアップされるようです。
綺麗なお庭に妻大興奮です。


貞松院
高島藩の初代藩主、諏訪頼水婦人の貞松院と徳川家康の六男、松平忠輝の菩提寺なんだブ。毎年春になると、松平忠輝の墓地や貞松院殿の墓地、それに両名の遺品などが、諏訪市の史跡や文化財に指定されているんだよブ。
五蔵巡り:銘酒の酒蔵を歩く
「貞松院」見学の後は、20号に戻り開店前の酒造めぐりをしてきました。
道なりに歩いていくと右手に諏訪五蔵の一つ「酒ぬのや本金酒造」があります。
1756年創業、銘酒「本金」「太一」で知られる老舗酒造です。「家族中心にやっている小さな造り酒屋」としていますが知名度は抜群ですね。

本金酒造の対面には「伊東酒造」があります。
他の五蔵と比べると1958年創業と若い酒造です。銘酒「横笛」で知られています。

その先にある信号を過ぎてすぐ、右手に「麗人酒造」があります。
1789年創業、代表的な銘柄はもちろん「麗人」ですね。

そして50mほど先には五蔵最後の「舞姫」があります。
酒造りを始めたのは1894年。銘酒「舞姫」「翠露」などを造っています。

近くに銘酒の酒造が集まっていて「酒造巡り」ではたくさんのお酒が試飲できるようですよ。お酒好きにはたまらない通りですね。
長かった甲州街道の旅も、いよいよ最後の宿場町「上諏訪宿」に入りました。
風情ある温泉街の街並みと、銘酒の歴史を楽しみながら進んでいきます。
次回は、この上諏訪宿の歴史スポットをさらに深く探り、いよいよ旅のゴール「下諏訪宿」へ向かう道をご紹介します。上諏訪温泉ならではのスポットや、諏訪大社ゆかりの神秘的な神社など、見どころ満載です。どうぞお楽しみに!
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