こんにちは、ぶ~ちゃんです。 2月のキリッとした冷たい空気が心地よい朝。リュックを背負って多摩川沿いの澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込むと、一気に旅のスイッチが入ります。
今回の主役は、なんと言っても「吉野梅郷」。かつて失われた絶景が、地元の方々の手で再び色づき始めた奇跡の梅林を訪ねます。歴史の面影を残す旧街道を歩き、心もお腹も満たされる春待つ青梅の旅へ、一緒に出かけましょう!

旅の始まり
今回の街道歩きは、都心からのアクセスも良いJR青梅線からスタートします。
日向和田駅
旅の起点は、青梅線の「日向和田(ひなたわだ)駅」です。大正9年(1920年)に青梅鉄道の駅として開業したこの駅は、まさに100年以上にわたり「吉野梅郷の玄関口」として旅人を迎えてきました。
普段は単式ホーム1面1線の静かで素朴な無人駅ですが、梅まつりの時期になると、かつての「日本一の梅の里」の賑わいを取り戻したかのように多くのハイカーで活気づきます。ホームに降り立ち、大きく深呼吸すると澄んだ空気の中に微かな春の匂いを感じます。

へそまんじゅう総本舗
歩き始めてすぐ、街道沿いには見逃せないグルメが待っています。
湯気と共にふわりと甘い香りが漂ってきました。青梅名物「へそまんじゅう総本舗」です。1563年の戦国時代、武士が兵糧として腹巻(へそ)に入れて戦ったという勇ましい逸話が残るお饅頭。薄皮にたっぷりの粒あんが詰まった熱々をハフハフと頬張ると、優しい甘さが体に染み渡り、これからの歩き旅への最高のエネルギーチャージになりましたよ。


舞花
吉野梅郷の入り口に到着。美しい梅と対面する前に、どうしても立ち寄りたかったのがお食事処「舞花」です。実はここ、吉野梅郷梅まつりの期間中にしか開店しない“幻のお店”といううわさ。
運良く入店し、「そば」と「もつ煮」を注文しました。ツルッとした喉越しの良いお蕎麦と、トロトロに煮込まれたコク深いもつ煮は、冷えた体に染み渡る絶品。お値段もリーズナブルで、地元の温かさを感じるおもてなしに心が和みます。

吉野梅郷・梅の公園:よみがえる奇跡の絶景
お腹も満たされ、いよいよ今回の旅のメインイベント。吉野梅郷の中心地へと足を踏み入れます。

青梅市梅の公園
公園入口の開花状況は「3分咲き」。天候にも恵まれ、ぽかぽか陽気だったこの日は、たくさんの観光客でにぎわっていました。


入口すぐの「青梅グルメマルシェ」では、地元ならではの味覚が並び、活気あふれる声が響きます。

公園内は山の斜面を利用した造りで、一歩一歩、土の感触を確かめながら遊歩道を登っていきます。見上げれば奥多摩の山々と梅のコントラスト。
かつて病害により約4万本もの梅が伐採されるという悲しい歴史を乗り越え、再植樹によってよみがえりつつあるこの景色。一番奥にあるあづま屋から梅林を一望した瞬間、人々の想いと自然の生命力に胸が熱くなりました。



一歩一歩、土の感触を確かめながら遊歩道を登っていきます。足元には可憐な福寿草も顔を出し、見上げれば奥多摩の山々と梅のコントラスト。失われた風景を取り戻そうとする人々の想いと、自然の力強い生命力を同時に感じ、胸が熱くなるような特別な時間を過ごすことができました。これを見るためだけに歩きに来る価値がある、間違いなく最高のスポットです!
一番奥にあるあづま屋からは、梅林を一望することができましたよ。気持ちの良い景色です。
植樹されて間もない若い木々が目立ちましたが、また、この山肌が梅の花で覆いつくされる景色に戻る日を楽しみにしています。

青梅街道をゆく:梅の余韻と歴史の足跡をたどって
絶景の余韻に浸りながら、青梅街道を東(青梅駅方面)へと歩を進めましょう。この道には、歴史の断片がいくつも静かに息づいています。
天澤院
吉野梅郷の熱気から少し離れ、道沿いの「天澤院」へ。奥には天満宮があり、風が木々を揺らす音だけが響きます。梅の華やかさとは対照的な、ひんやりとした静寂が漂う癒やし空間です。

明白院
日向和田駅を通りすぎ、青梅街道を1kmほど進むと現れるのが「明白院」です。茅葺き屋根の立派な山門は、かつての「楯の城」から移築されたものと伝えられています。歴史の重みを感じさせる門構えと、庭に咲く梅の対比が見事な、品格漂うお寺です。

森下陣屋跡
更に1.5kmほど進んだ場所に「谷稲荷大明神」が現れます。ここが「森下陣屋跡」。ここは1590年に徳川家康が関東に入国した際、青梅地域を治めるために置かれた代官の出張所(陣屋)があった場所です。かつての行政の中心地も、今は静かな生活道路の一部。街道歩きならではの「歴史の地層」を感じる瞬間です。

金剛寺
吉野梅郷を見た後だからこそ、絶対に立ち寄りたかったのがこの「金剛寺」。実はここ、平将門が「願いが叶うなら青いまま実を結べ」と梅の枝を地に刺したところ、青い実をつけたまま落ちなかったという「誓いの梅」の伝説が残る場所。そう、「青梅」という地名のルーツになった梅の木があるお寺なんです!吉野梅郷から続く「梅の物語」がここでピタリと繋がりましたね。





旧稲葉家住宅
青梅街道に戻ってすぐ、趣のある建物が目に入りました。近づいてみて、背の低い入口に吸い寄せられるように建物内に入っていきます。ここは江戸時代後期に建てられた豪商の町家「旧稲葉家住宅」(東京都指定有形文化財)でした。
重厚な「店蔵」の建物に入ると、広い土間と太い梁が当時の青梅宿の繁栄ぶりを物語っています。ひんやりとした土間の空気と古い木の香りが、江戸時代へタイムスリップさせてくれました。
伺った時は、蔵の中で豪華なひな壇が飾られていました。期間限定の公開に偶然立ち会えるのも、歩き旅ならではの幸運ですね。






昭和レトロと猫が彩る不思議な宿場町
いよいよゴールは間近。街の風景は江戸から「昭和」へと鮮やかに移り変わります。



雪守横丁
細い路地に足を踏み入れると、そこは「雪守横丁」。青梅の本陣守谷家由来で守谷横丁とも呼ばれています。路地裏は、昭和の夜の賑わいをそのまま閉じ込めたようなノスタルジックな空気に満ちていました。




住吉神社
映画『ちはやふる』のロケ地としても知られる「住吉神社」。急な石段を登り切り、社殿で参拝。……そして、この日は偶然にも2月22日、そう「猫の日」!猫の街として知られる青梅で、この日に参拝できた巡り合わせに、思わず笑みがこぼれました。




青梅駅
充実した旅のゴールは、レトロな駅舎が魅力の「青梅駅」です。吉野梅郷の感動からレトロ街の余韻までを優しく包み込んでくれました。ここから電車に乗り、大満足で帰路につきました。





奇跡の復活を遂げた吉野梅郷の絶景から、江戸の宿場町の面影、そして昭和レトロな街並みまで。約半日かけて自分の足で歩いた今回のルートは、青梅の奥深い物語を五感で味わい尽くす、最高の街道歩きとなりました。
一歩進むごとに変わる景色と、歴史の息遣い。吉野梅郷の梅が放つ力強い香りは、きっとあなたの心にも春の温もりを届けてくれるはずです。ぜひ、歩きやすい靴を履いて、この感動に出会う旅へ出かけてみませんか?
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