こんにちは。ぶ~ちゃんです。
2月から3月にかけては、寒さの中に柔らかな陽光が混じり、梅の花がほのかに香る季節ですね。今回は、水戸黄門こと徳川光圀公がこよなく愛した梅林を訪ねて、文京区にある「小石川後楽園」を歩いてきました。
一歩足を踏み入れれば、そこは都会の真ん中とは思えない静寂の世界。鼻をくすぐる梅の芳香と、光圀公が作庭に込めた「和漢の粋」が織りなす景観に、心から癒やされるひととき。江戸時代から続く歴史の息吹を感じながら、春の足音を探す旅へ出かけましょう。
歴史と自然が調和する都心のオアシス「小石川後楽園」
東京都文京区、東京ドームのすぐ隣に位置する「小石川後楽園」は、江戸時代初期の寛永6年(1629年)に水戸徳川家の藩祖・頼房が中屋敷の庭として造り、二代藩主・光圀が完成させた回遊式築山泉水庭園です。
「後楽」という名は、中国の教えである「天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに遅れて楽しむ」に由来しています。国の特別史跡および特別名勝に指定されており、この二重指定を受けているのは都内でも浜離宮恩賜庭園、旧離宮離宮恩賜庭園、そしてこの小石川後楽園のみ。約70,000㎡という広大な敷地には、日本だけでなく中国の名勝を模した景観が広がり、一歩進むごとに新しい景色が現れます。
入場 東門
「東門」から入場です。
以前は西門がメインでしたが、2020年の「唐門」復元に合わせて、水道橋駅からほど近いこちらの門も利用できるようになりました。門をくぐった瞬間、空気の密度が変わるのを感じます。賑やかな駅前の喧騒がスッと消え、情緒あふれる庭園の時間が動き出します。

門の中に入るとすぐ、入園チケットの販売窓口があります。
園内には和漢の景勝を参考に造られたみどころが数多くあります。
名所を巡りながら、回遊式築山泉水庭園の美しい景観を楽しむことができます。

内庭
かつて水戸藩邸の書院があった「内庭」へ向かいます。ここは、大名屋敷のプライベートな空間だった場所。冬の風物詩である「雪吊り」が施された松が、凛とした立ち姿を見せていました。幾何学的な縄のラインが冬空に映え、手入れを欠かさない職人の矜持が伝わってきます。

唐門
内庭を抜けると現れるのが、2020年に約75年ぶりに復元された「唐門」です。戦災で焼失する前は、水戸藩邸から後楽園に入るための正式な入口でした。黒漆塗りに金箔の装飾が施された重厚な門は、かつての威光を今に伝えています。この門をくぐると、いよいよ庭園のメインエリアが広がります。

大泉水
庭園の中心をなす「大泉水」は、海をイメージして造られた広大な池です。かつては神田上水を引き込んでいたというこの池は、滋賀県の琵琶湖をモデルにしたと言われています。池の中に浮かぶ「蓬莱島」や、水面に映る周囲の木々。徳川家光公自らが筆を執って指導したと伝わる曲線美は、いつまで眺めていても飽きることがありません。

九八屋
梅林へと向かう途中に佇むのが、江戸時代の酒亭を模した「九八屋」です。「酒を飲むには、昼は九分、夜は八分にすべし」という、光圀公らしい教えが名前の由来だそうです。腹八分目ならぬ酒八分目。健康を気遣う粋な教えです。

梅林
庭園の北側にあります。
梅は中国文化においても高貴な花とされており、その影響を受けた光圀公は、庭園に梅を多く植えました。水戸偕楽園も梅の名所ですね。

満開というわけではありませんでしたが、多くの観光客が梅の花を楽しんでいました。春の足音を感じるこの時期、梅の花は寒さが和らぐ季節の到来を告げるシンボルとなり、春の足音を感じさせてくれますね。


庭園の美しい自然景観の背後に、東京ドームホテル、東京ドームの屋根、東京ドームシティのジェットコースターが見えます。時代を超えた景色が交わります。

愛宕坂
ふと目を向けると、目も眩むような急勾配の石段「愛宕坂」が。京都の愛宕山を模したもので、47段の石段が真っ直ぐに伸びています。一段一段が非常に高く、当時の武士たちの足腰の強さを想像させます。現在は安全のために柵があります。

円月橋
小石川後楽園の象徴的な石橋で、徳川光圀により明の儒学者朱舜水が設計した橋です。水面に映る形が満月のように見えることからその名が付けられました。
当時の中国の最新技術を駆使して造られたそうです。現存する石橋としては最古級です。

円月橋を過ぎ、雰囲気のある石段を進んで行きます。

得仁堂
水戸光圀公が建立した、創建当時のまま残っている園内唯一の建物です。
「得仁堂」という名前は、孔子の「求仁得仁 (仁を求めて仁を得たり)」と語ったことが由来となっています。

通天橋
その先に見えてくる朱塗りの橋は「通天橋」です。
こちらは京都にある「東福寺」の「通天橋」がモデルになっているそうです。
大きな橋ではありませんが、木々に囲まれた中で朱塗りの橋は目を引きます。

清水観音堂跡
「通天橋」を渡った先の石段を上ると「清水観音堂跡」があります。
京都の清水寺を模した観音堂があったということですが、今は基礎石のようなものが残る家となっています。園内の西側は京都を模したエリアとなっています。
高台で眺めの良い場所です。

大堰川 & 渡月橋
清水観音堂から道を下っていくと「大堰川」と川に架かる「渡月橋」です。
こちらも、京都嵐山にちなんだものですね。
遠くに見える朱色の橋は先ほど通ってきた「通天橋」です。
園内で京都気分も楽しめてしまいます。


園内を反時計周りに歩いて、大泉水の西側に出てきました。
付近には「枝垂桜」や「蓮池」があります。季節には楽しめますね。

西行堂跡
「大泉水」の南側沿いを歩いていると、右手に「西行堂跡」があります。
西行法師の木像を安置していたお堂があったことに由来します。この堂は戦災により焼失してしまったそうです。

蓬莱島(大泉水)
大泉水の真ん中に浮かぶ「蓬莱島」を、今度は別の角度から眺めます。不老不死の仙人が住むと言われるこの島は、亀の形を模しており、先端にある「徳大寺石」が頭の部分を表しています。島の中には弁財天を祀った祠があります。

寝覚滝
園内東側の内庭の近くにある水路で、内庭の池水が「木曽川」に落ち込む場所です。
木曽の「寝覚め床」にちなんで「寝覚滝」と呼ばれています。とても静かな流れです。

小石川後楽園まとめ
東京にある「小石川後楽園」は、日本庭園の美しさと風情を存分に味わえる場所でした。
池を中心に配置された回遊式築山泉水庭園は、歩くたびに異なる景色を見せてくれます。
江戸時代に創建された後楽園は、歴史を感じさせる建造物や風景が多く残されています。中国の庭園様式を取り入れた部分もあり、日本庭園だけでなく、異国情緒も楽しむことができ、歴史と文化が息づく庭園となっています。特に、円月橋や徳大寺石などの名所が魅力です。
四季折々の表情が魅力の庭園でもあります。春にはウメやシダレザクラが咲き誇り、夏には鮮やかな緑、秋には一面紅葉が彩ります。
今回(冬)は梅を楽しませてもらいました。少し前には蝋梅を、これからはツバキを楽しむことができます。年間を通じて訪れる価値がある場所です。
「小石川後楽園」は、都会の中心にありながら日常の喧騒を忘れさせてくれるオアシスです。ぜひ、実際に訪れてその魅力を体感してみてください。
コメント