こんにちは。ぶ~ちゃんです。
甲州街道歩き旅12日目2回目です。
前回の記事でご紹介した「諏訪五蔵」を後にし、温泉の町・上諏訪宿の歴史スポットを散策。そして、旅の最終目的地である下諏訪宿に向けて、諏訪湖畔の旧道を歩き始めます。
レトロな温泉街の風情、諏訪大社と関わる神秘的な神社、そしてついに見えてきた旅の終着点…。今回も、皆さんがまるで私と一緒に歩いているような、臨場感たっぷりの旅の様子をお届けします!
甲州街道の旅 12日目-2
上諏訪宿の歴史散策
「諏訪五蔵」を後にした私たちは、歴史の息遣いが残る上諏訪宿の街並みをゆっくりと進みます。この辺りには、江戸時代から栄えた宿場町の面影と、温泉地特有の優しい温もりが感じられるんです。
旅人の疲れを癒やす「精進湯跡お手湯」
9:15
「諏訪五蔵」を過ぎ、300mほど歩いた駐車場の前に、旅人の足を思わず止めるスポットがありました。それが「精進湯跡お手湯」です。さすが温泉地として有名な上諏訪!
この「精進湯」は江戸時代前期から記録に残るほど歴史があり、付近にある手長神社を参拝する際に身を清めるための温泉として親しまれていたそうです。2017年に共同浴場としての役目を終えましたが、その跡地にお手湯として生まれ変わってくれたんですね。
この日は、風が冷たかったので、私たちも温かいお湯に手を浸して「ふぅ〜」と一息。じんわりと熱が広がり、旅人の冷えた体に心地よさが沁みました。


上諏訪宿問屋跡
お手湯の前の駐車場には、かつて本陣も兼ねていた「上諏訪宿問屋跡」の案内板が立っていました。残念ながら形跡はありませんでした。残念。

諏訪大社と対をなす神秘の「手長神社」
この神社、「君の名は」の宮水神社のモデルになったという噂もあるそうで、期待が高まります!手長神社は、対になる「足長神社」とは祀られている神様が夫婦関係にあるという神秘的な関係。足長神社と同様に、目の前には長く急な階段が続いていました。


手長神社・足長神社
諏訪大社上社の末社なんだブ。建御名方神が諏訪大社に祀られる以前からこの地で信仰されていた神とされるんだブ。
この一帯が桑原郷と呼ばれていたころは、足長・手長の両神を祀っていたけど、桑原郷が上桑原と下桑原に分かれるようになって、手長神社は下桑原で手摩乳命(てなづちのみこと)を祀り、足長神社は上桑原で足摩乳命(あしなづちのみこと)を祀るようになったと考えられているブ。
20号に戻り上諏訪駅方面に向かいます。レトロな町並みが残っています。

レトロな雰囲気が残る町並みに溶け込むように建つ、一際目を引く建物がありました。それが、国登録有形文化財に指定されている「三村貴金属店」です。
築約100年の店舗を維持するために、空きスペースを改装して複合施設を開業するそうですよ。

線路沿いには「明治聖園児童遊園・高島城柳口御役所跡」があります。
高島藩は、城下町から高島城へ向かう入り口近くに柳口御役所を置きました。1880年には高島学校が新築され同年には、明治天皇の巡幸の行在所にもなりました。


御宿場印「上諏訪宿」を手に入れた!
9:45
ここで少し寄り道!旅の記録に欠かせない「御宿場印」をゲットするために、「上諏訪駅」に立ち寄りました。「諏訪市観光案内所」にて販売しています。


場所 :諏訪市観光案内所
営業時間:9時~17時30分
休業日 :無休 年末年始は休業
下諏訪宿への道中
いよいよ旅の最終目的地である下諏訪宿へ向かう道に入ります。駅からの旧甲州街道は、ここで国道20号線と一度お別れ。山沿いの、静かな旧道へと足を踏み入れました。
この道に入ると、まず目につくのが保育園の前にある立派な松の木、諏訪市の天然記念物「吉田のマツ」!樹齢推定約300年という市内最年長樹で、高島藩士が大阪城守備の任務から持ち帰った黒松だといわれています。歴史の詰まった一本ですね。

江戸日本橋から五十三里目「片羽一里塚」
さらに歩みを進めると、突然、駐車場の隅にぽつんと現れたのが、江戸日本橋から五十二里目の「片羽一里塚」跡!
約204kmの道のりを経て、残すは五十三里目、最後の一里塚のみとなりました!いよいよゴールが近づいていることを実感し、思わず胸が高鳴ります。

ここからまた緩い上り坂が続きます。S字カーブを登る途中、細い路地の先に「児玉石神社」を発見!この境内にある五個の大石は、「諏訪の七石」の一つに数えられる神秘的な場所です。

ただ、この辺りで妻の膝に痛みが…。無理は禁物!遠くから拝み、撮影だけして先に進むことにしました。旅は体力温存も重要です。
その先、こちらも民家の間の路地先に見えた神社「白山社」です。

さらに500mほど坂道を登ると、石の瑞垣が見えてくるのが「先宮神社」です。この神社の境内前の小川には「橋を架けない」という伝承が残っているのですが、この日は水路を跨ぐ橋が架かっているように見えました。一時的に架けている「渡り板」でしょうか?この伝承の理由が、また興味深いんです。



先宮神社
この神社の祭神は、建御名方命が諏訪神社に鎮座する前からいた産土神なんだブ。建御名方命が諏訪に来たとき、すでに諏訪にいた大和族と争いになっちゃったんだブ。でも大和族は負けちゃって、他の地に出ることは許されなかったんだブ。だから、「境内前の小川に橋を架けない」という伝承があるんだよブ。
500mほど歩いた道の左手に存在感のある欅があります。根元にあったのは「甲州街道」と刻まれた石標がありました。裏には、津島牛頭天王、道祖神、慰霊碑がありました。
気付きませんでしたが、木の裏側は空洞になっていたようです。

山沿いの道は緩やかなアップダウンを繰り返し、民家の間からはところどころきらめく諏訪湖が覗かせます。この景色が、疲れた体に活力を与えてくれました。


橋本政屋
10:30
欅のあった場所から1km程進んだところに「橋本政屋」があります。
江戸時代後期からある古民家茶屋です。風情がありますね。



橋本政屋
人気のお茶屋跡地なんだブ。この建物は、諏訪湖を一望できる素晴らしい場所に位置していて、江戸時代の雰囲気をそのまま残しているんだブ。諏訪湖のお殿様がこっそり訪れた部屋、こて絵の力蔵、諏訪藩高島城からもらった松、石燈などが見どころだブ。
ちょうどお腹も空いてきたので、ここで旧街道から湖畔に降りて、軽食をとることにしました。妻は膝をかばいながらの坂道下り…、少し心配ですが、美味しいご飯で回復してくれるはず!

湖畔カフェ「HOLZ」で優雅な旅の朝食
私たちが訪れたのは、坂道を下った諏訪湖畔にある「HOLZしもすわ店」です。
店内は英国調で、洋食から和食までメニューが豊富。何より、諏訪湖を望むテラス席があるのが最高です!少し気温は低かったですが、地元の方もテラス席でモーニングを楽しんでいて、地元でも人気のお店であることが伝わってきます。

私たちは、お代わり自由のコーヒーまたは紅茶が付いたお得なモーニングセットで優雅な朝食をいただくことに。旅の終盤で、こんなオシャレなカフェタイムを過ごせるなんて、最高の思い出です!


カフェを出れば、下諏訪宿までは残り約2.5km。長かった甲州街道歩き旅も、いよいよフィナーレを迎えます。
次回はいよいよ終点「下諏訪宿」へ!感動のゴールをどうぞお楽しみに!
コメント